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2009年 6月 3日 (水)
■CD-ROM2ギア修理
例のアレが届いちゃいましたよ.わーい.
ポーランド直送です.POLSKAはポーランドの通称らしい.
「Gears」と重さ以外何が書いてあるか全然わからんw
ここで唐突にこれまでのあらすじ.1ヶ月ほど前に,メガCDを修理した勢いでPCエンジンのCD-ROM2のドライブをメンテしてみたくなって開けてみたら,何とピックアップを動かすためのギアが経年劣化で文字通りボロボロに朽ちていたというショッキングな事件が発生しました.かつて愛用していたドライブも,予備として買っておいたドライブも同じようにボロボロ.代替部品を確保して直そうにも,すでに元のギアはボロボロでどんな形状だったのかすらよくわかりません.そこでジャンク品を買ってきて,ボロボロになる前のギアを抽出してみたのでした.
抽出したギアをよく観察し,ギアについて色々調べてみたところ,どちらの段のギアも径や歯数は一般的な規格に準拠していそうだということがわかりました.しかしながら,実際にそれ相当のものを扱っているお店を国内で見つけることはできませんでした (聞けば出てくるところはあるのかもしれないけど,普通に通販的に扱っているところは見当たらず).唯一見つけることができた,同じタイプの精密ギアを扱っているインドアプレーン専門店の方のブログの記事をヒントに非英語圏まで範囲を広げて探してみたところ,Mikroantriebe KKPMO Onlineshopなるポーランドの業者のオンライン販売サイトを発見.ここでCD-ROM2の修理に使えそうなギアを扱っていることがわかり,送料含めてかなり手頃な値段で買えることがわかったので取り寄せることにしたのでした.あらすじ終わり.
で,そのギアが今日届いたというわけです.注文したのはM0.3/歯数14/厚さ2.5mmの平ギアとM0.25/歯数23/厚さ1.0mmの平ギア.どちらも中心の穴の径は1.5mmとし,素材は周辺のギアが樹脂製であることを考えてポリアセタール (ジュラコン) を選択しました.
果たしてこの2枚を組み合わせてオリジナルのギアと同等のものが作れるのでしょうか・・・
というわけで,さっそく加工作業開始.まずはギアの穴の径を広げるところから.今回注文したギアは穴の径が1.5mmでしたが,取り付けたいCD-ROM2のシャフトは約1.6mmの太さです (穴の径は0.5mm刻みでしか注文できなかった).なので,何らかの方法で穴を拡げてやる必要があます.今回はピンバイスに1.6mm径のドリルの刃を取り付けて,手で穴を拡げてみました.最初に出てくる削りくずが気持ちいいw
平べったい方も拡げます.なお,後になって気づいたんですが,初期状態の穴の径は実際には1.5mmよりもさらにちょっとだけ小さいため,先に1.5mmのドリルの刃を通しておくと,1.6mmへ拡げる作業がより安定します.
この状態で,各ギアの片面に先日調達しておいたポリアセタール対応の接着剤 (セメダインPPX)のプライマーを塗りつけます.これを塗らないとまともにくっつかないくらいポリアセタールは難接着性の素材らしいです.で,その後,数分待ってからギアに接着剤を塗布して貼り付けます.その際2枚の穴の位置がずれたりしないように,写真のようにドリルの刃を通した状態で細い方に接着剤を塗布し,一気に押し付けて,一瞬待ってからサッと刃を引き抜くというやり方でくっつけました.これがうまくいって穴の位置はぴったり.うまくいってよかったー.
そんな感じでまずは1個目が完成.白いので写真だとなんか小さく見えますが,大きさはほぼ同じです (代替品の方がちょっとだけ薄い)
しかし横から見るとなんか接着面に隙間があるように見えます・・・.
とりあえず30分くらい待ってからはめ込んでみたら,押し込む途中ではがれてしまいました orz.くっ・・・まあ最初はこんなもんか.
最初の失敗の反省を踏まえ,2個目は耐水ペーパーで接着面を研磨することにしました.
この研磨が見事にあたり,2個目は非常にしっかりくっついてくれた模様 (写真からではよくわかりませんが・・・).ちなみに何か黒い点がついてますが,これは途中で接着面を間違えないようにするためのマークですw
再び30分ほど置いてからはめ込んでみたところ,今度は外れることなくがっちり噛み合ってくれました.グリスを塗って手で回してみましたが,非常にいい感じです.やはりこのピッチ・径で間違いなかったようです.最初からこれがついていたんじゃないかってくらいのぴったり具合.
組み上げて,まずは単体で音楽CDを再生するテスト.普通にピックアップがひゅるひゅると内周へ動き,見事に再生がスタートしましたよ.わーい.
次に結合テスト.見事にゲームが起動しました.
・・・が,ここで問題発生.ゲームを始めようとしたところ,読み込みに行って先に進まなくなってしまいました.位置があわないのか,ピックアップが一番内側に戻ってきてから再度外周へシークするという動作を延々繰り替えします.
音楽CDでテストしても同様の現象が発生.5曲目あたりから怪しい感じです.順番に聴いていくと大丈夫なんですが・・・.とりあえず慣らしを兼ねて音楽CDをしばらくの間再生させてみたところ,多少マシにはなりましたが,根本的には改善しませんでした.うーん,ギアがあってないとかだったら嫌だなぁ (;´Д`)
ギアに問題があるのか気になったので,予備機の方にもギアをくみつけてテストしてみることにしました.先ほど失敗したギアの接着面を耐水ペーパーで磨き,再度接着.接着前に,こんな風に耐水ペーパーで作ったこよりを通してみたところ,穴がちょうどいい具合に拡がってよりなめらかに回るようになりました.素晴らしい.
予備機の方はシークが超安定しており,1台目では何度もやり直していた遠くへのシークをバシッと一発で決めてくれます.うーん,1台目の個体固有の問題なのかこれは.まあ,ギアに問題がなさそうでよかったです.・・・が,1時間ほど音楽CDを回していたところ,今度はメインのモーターまわりでトラブルが起きたのか,CDが回らなくなってしまいましたorz.一応しゅるしゅるいいながら多少回りかけはするんですが,パワーが足りないのか何なのか・・・.
ううう,これではゲームがちゃんとできるかどうかのテストができないではないか・・・.仕方ないので3台目のジャンク品にもギアを取り付けてみることにしました.そもそもこいつは動くのかどうかもわからないわけです・・・が,3個目に作ったギアを取り付けてみたところ,悔しいことにこれが一番まともに動作w
普通にグラIIで遊べました.途中からCDの音楽が全く出なくなってしまいましたが,データの読み込み自体は安定している感じです.
ちなみに割と順調に進んでいたんですがジャンピングモアイで死にまくって,この次の遺跡面で終了.PCエンジン版も普通に面白いから困る.地上の砲台がちゃんと弾撃ってくるので,サターン版のデラパより難しいですw.当時はあんまり感じなかったけど,今見るとほんとPCエンジンでよくここまでやったなぁって感じです.
というわけで,ポーランドから取り寄せたギアを使ってCD-ROM2ドライブを修理してみたというお話でした.音が出ないとか,シークが変だとか,CDが回らないとか,現役当時の輝きを取り戻すにはまだまだ課題がいっぱいですが,ひとまず最大の難所は突破できたかと.ちなみにギアの代金は送料込みで4,000円弱だったかな.1セットあたり800円くらいの計算ですね (その他,接着剤とかドリルの刃とかを入れるともう少し高くつくけど).ま,色々と楽しませてもらえて,しかもハッピーエンドなら安いもんじゃない?
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完治まではまだ時間がかかりそうですが、
レストアに結びつく大きな進展ですね。
やってみるもんだということを実感しましたw
そもそも8801MC自体,入手が大変そうですがw,標準的な
ドライブが流用できるようになればだいぶ安心ですね.
激しくなりますが、M0.25/歯数23/厚さ1.0mmのギアを厚さ1.5mmにすると、
ほぼオリジナルと同じ音になりました。0.5mm分厚くなったせいで黒いリングが若干
つけにくくなりましたが。できれば複製する方法も試してみたいですね。
ギア音については考えたことがありませんでした.
なるほど,1.5mm厚のギアでも収まるんですねー.