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2011年 3月11日 (金)

スキー

始発の車内で落ち合うことになったので,4時前に起床して出発準備,無事5時前の電車に乗ることができました.途中で今回一緒に行く (というかスキー旅行を企画した) hyousuke氏とLahan氏とも無事合流し,東京駅に出て,そのまま新幹線で山形へ.蔵王は最も好きなスキー場の1つなので,近づくに連れテンションが上がります.

9時過ぎに山形駅に到着し,朝ご飯を食べたりしつつバスを待った上で蔵王温泉へ移動.ホテルで支度をしていざゲレンデへ.入れたと思っていたタイツがカバンに入っていなかったり,リフト券が大きすぎて数年前に買った蔵王のリフト券ホルダーに全然入らなかったりと,軽く凹むことがありましたがw,ガラガラのゲレンデを見てそんなことも吹っ飛びました.多少天気が悪い感じですが,これは相当楽しめそうです.

天気悪い

・・・とか思ってたんですが,日頃の運動不足+天候の悪化により,さっそく息が上がり気味に (;´Д`).お腹も空いたので,黒姫の下のレストハウスで遅めの昼食.ご飯の後,ちょっと寝たら元気になりましたw

外に出てみると,さっきよりも天気が悪くなったような感じです.うーん,まあでも,空いてるうちにひとまず山頂を見に行こう.というわけで,横倉 (壁じゃないよ) を軽く滑ってから蔵王ロープウェイ山麓線に乗車.

地震

説明するまでもないですが,この直後に東北地方太平洋沖地震が発生しました.タイミング的に,蔵王ロープウェイの山麓線が終点に着いて,ドアが開く直前くらい.もう間もなく終点ですというところで,ロープウェイに乗っていた多くの方の携帯電話が一斉に「ギュイギュイ」鳴り始めました.その後,ロープウェイがガタガタと激しく振動.乗務員の方がやたらと落ち着いていたので,当初停止時の振動なのかと思ったのですが,どうも様子がおかしい感じ.ロープウェイから出てもガタガタいっています.こりゃマジででかい地震なのか!?

ロープウェイの終点は,斜面の結構きついところに建っています (こちらに終着点の写真があります).危険を感じ,揺れる中,階段を上がって待合室に入ると,一層激しい揺れが・・・.どれくらい揺れたのかわかりませんが,終着点や待合室ごと崩れ落ちるんじゃないかと本気で心配になるくらい怖かったです.

揺れが収まった時点で,ガラスが割れたりといった被害はありませんでしたが,待合室に入った時点ではついていたテレビがいつの間にか消えていました.停電です.待合室の中にある事務室にはスタッフが何人か滞在していましたが,停電ということ以外,ほとんど情報が伝わって来ず,「余震が続いているのでゲレンデに出るのは危険ですのでこちらで待っていてください」を繰り返すばかり.そうこうしているうちにどんどん体が冷えてきて危ない感じに.必死に動いて体を温めて過ごしていました.ていうか何で石油ストーブとかないのここ・・・

写真は地震発生から1時間くらい後の待合室の様子です.揺れが収まった直後はauの携帯電話からでもネットが使えていたんですが,メールとTwitterで無事を一方的に連絡して,自宅の無事を確認したところで通じなくなりました.ドコモ (SBMも?) はその後も使えていたみたいで,Twitter経由でぽつぽつと何が起きたのかという情報も入ってきてはいたのですが,ものすごくヤバいということがわかったあたりで鯨が出てつながりにくくなったようで,その後はバッテリー温存のためにあまり見る人もいなくなったようでした.

ロープウェイ終点の待合室

写真を見るとわかりますが,ロープウェイは復路も乗れるので,スキーやスノーボードを持たずに,単純に観光目的で乗車されていた方も大勢いました.このような方は,当然軽装なだけでなく,滑って降りることもできないので,ロープウェイが復旧しない限り,スノーモービルなどの救助に頼らないと下山できません.待合室の中も相当寒いので,せめてこういった方だけでも待合室からさらに壁で区切られた事務室の中で待たせてあげれば良かったのになぁと思ったりも.一般人を入れられない理由とかあったんでしょうかね・・・.

ロープウェイ終点の待合室2

16時頃になって,何人かが自力で下山を開始しました.日没が近づきつつあり,また天候も良くなかったため,遅くなると下山のリスクがさらに高まるという判断です.自分たちもその考えに同調し,残った方の無事を祈りつつLahan氏,hyousuke氏とともに待合室を出ました.・・・うおお,すぐ横にでかいレストハウスがあるじゃねーか! 時々出入りしていたパトロールがこっちに誘導して上げれば,みんな寒い思いしなくて済んだんじゃ・・・

なんて今更言っても始まらないので,板をかついで少し歩いて,百万人ゲレンデの方へ移動.ここから横倉の方へ回ってロープウェイ乗り場まで戻る作戦です.この時点で,ロープウェイに乗ったときよりさらに天候が悪化しており,視界はものすごく悪く,ちょっとでも気を抜くとすぐにはぐれたりコースから外れてしまいそうな状況.地震の次はこれですか・・・(;´Д`)

一瞬危ないシーンもありましたが,どうにか他2人とはぐれることもなく,無事横倉へ回ることに成功.このあたりで視界が多少はマシになり,周囲の状況が把握できるようになりました.リフトは一切動いておらず,ゲレンデにもほとんど人がいません (自分たちと同じように,上に取り残されて,自力で下山しようとしている人たちがぱらぱらいる程度).静寂につつまれたゲレンデを滑り降り,無事横倉の下へ到着しました.

ゲレンデの下の建物の時計は地震の直後くらいの時間で止まっていました.

止まった時計の針

ゲレンデにはほとんど人がいません.リフトも全く動いていません.

誰もいないゲレンデ

当然ながら,リフトの上に取り残されて,避難器具で下ろされたという方もいたようです.恐ろしい・・・.というか,ロープウェイに乗る前に,せっかくだからもう1本横倉を滑ろうということでリフトを2本くらい上がっていたんですよね.これがなかったら,山頂線の方の途中で地震に遭遇していたか,山頂で足止めを喰らっていたことでしょう・・・.

ひっそりとしたリフト乗り場

さて,宿は温泉街の真ん中の方です.どうやって宿に戻りましょう・・・.ここから宿まで移動する手段がないか,たまたまその場にいたパトロールの方に聞いてみたところ,何とゲレンデ間を回っているパトロールの車両を手配してくれて,他のグループの方と一緒に宿の方まで送り届けて下さりました.結構距離があったので非常に助かりました.ありがとうございました.

宿も当然のように完全停電.薄暗い中,ロビーには大勢の人が集まっていて,時折起こる余震に怯えながら,不安そうにしていました.チェックインして部屋まで案内してもらいましたが,当然途中の廊下の窓のないゾーンは真っ暗,お風呂は入れず,暖房の効かない廊下はひんやりしています.

もちろん,客室の中も窓から差し込む陽の光が頼り.非常に薄暗く,トイレの中なんかは真っ暗です.携帯電話やデジカメの液晶のバックライトで照らさないと用を足すことすらままなりません (水はタンクの貯水があったようで,トイレや洗面所は利用可能だった).また,暖房も効いておらず,さらに地震のせいで動いたのか,窓が最初から開いており,非常に寒い状態.ポットには,停電するまで保温状態となっていたと思しきぬるいお湯が残っていましたが,茶びつが机から落下したのか,中の急須が砕け散っていました.何から何まで辛いですね・・・.

部屋では,体も冷えていて,他にやること (というかできること) もなかったため,さっさとウェアを脱いで,厚着をして,かけ布団を被って余震に怯えながら過ごしていました.一応,メールで無事を知らせようかと思ったんですが,携帯の方はアンテナが3本立っていながらもメールは送り出せない状態.地震直後に送ったメールが届いていることを願うばかりです・・・.宿の人が布団を敷きに来てくれた後も,夕飯の準備ができるまでは同じように布団を被ってひたすら耐えてました.

そして夕飯.照明がつかないため,各テーブルの灯りはろうそくと調理用の固形燃料.こんな状況で,よくこれだけのものを用意できたなというメニューでしたが,十分に火が通ったかどうかを確認するのも大変で,残念ながら楽しむ余裕はなく,また,不安で胸がいっぱいで,いつものスキー旅行のように2膳3膳とおかわりすることもできませんでした.

夕飯

当然ながらご飯を食べている間も余震は続いています.食堂の方が作りがしっかりしていたためか,客室よりも揺れ方が大人しく,客室ほどの怖さはありませんでしたが (客室の方はちょっと揺れただけでもギィギィギシギシガタガタと激しい音がして非常に怖い),やっぱりゆらゆらしているのは気持ち悪いですね・・・.

食事の途中,隣のテーブルの方から,断片的に各地の被災状況が聞こえてきました.仙台空港が津波で泥だらけになって飛行機飛べない状態とか,まじですか・・・(;´Д`).ものすごい不安になったので,バッテリーが切れる寸前のLahan氏の携帯で自分の家族にメールを送って貰い,その後は歯を磨いて21時前にさっさと就寝.が,頻繁に来る余震や一体いつ自宅に帰り着けるのかという不安,他の人のいびきなどにより,明るくなるまでほとんど眠れませんでした (まあ僕も歯ぎしりが酷くて他に迷惑をかけたみたいですけど・・・w).あー,ほんと色々心配だなぁ・・・.

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nosuke (のすけ)
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