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2011年12月 7日 (水)

ワルキューレの伝説の効果音問題

原稿を書いていて気になったので,ワルキューレの伝説の効果音が出ない問題について確認してみました.ワルキューレの伝説にはバージョンに新・旧の2種類があるらしく,旧バージョンだとワルキューレの「エイ!」という声や金貨を拾ったときの音が出なくて,新バージョンだとこれが出るという違いがあるらしいです.そしてうちにあるのは旧バージョンなので,バッチリこれらの音が出ません.

この問題,「バージョン」とか呼ばれてますが,実はソフトウェアのバグでも何でもなくて,VOICE2と書かれたソケットに挿さっている1MbitのUVEPROMに問題があるだけのことらしいです.何が問題なのかというと,元々載っている1MbitのUVEPROMのピンアサインが間違っていて,例のA16とOEが逆の配置のやつを使ってしまっているだけなんですよね・・・という話を以前耳にして,今日までそうだと思い込んでいたんですが,基板を調べてみたら,これ,半分正しくて半分間違っていたことが判明しました.

問題があるといわれているVOICE2のROM

旧バージョンに載っているUVEPROMに書かれているデータ自体は,新バージョンと同じものというのは正しいです.ただ,旧バージョンはUVEPROMのピンアサインを間違えているから音が鳴らないというのは誤りでした.音が鳴る基板でも,同じピンアサインのUVEPROMが載っています (写真を見せてもらったらAM27C010が載っていた).

では何で旧バージョンだと音がちゃんと出ないのかというと,その原因は,ソケットにありました.このUVEPROMが差さっているソケットは,元々4MbitのROM用のソケットだったりします.なので,30番ピンとか31番ピンにも信号が来ています.1MbitのUVEPROMの場合,30番ピンはNCなのでまあいいとして,31番ピンはPGMになります.TC571000ADのデータシート (TC571000Dのデータシートは見つけられず) を見ると,PGMとCEとOEが全部Lの場合の出力については定義されていませんでした.

ソケット自体は4Mbit用に作られている

というわけで,この4Mbitのソケットに1MbitのUVEPROMを挿した上で,下1Mbit (シャドーを考えると下2Mbit) の範囲をアクセスしようとすると,31番ピンが0になるため,何が返ってくるかわからない状態となります.TC571000Dは,この場合に0か何かを返してしまう一方で,AM27C010はこれでもちゃんと読み出せてしまうため,このような事態となったのでしょう.

確かにAM27C010なら問題なく音が鳴る

果たしてこれは基板の設計が悪いのか,部品の選定が悪いのか,それとも4Mbit分のアドレス空間にシャドーされた範囲の上位2Mbitを使えば安全なのに,それを怠ったプログラムが悪いのか・・・.ちなみに,MAMEのソースコードを見ると,この1MbitのROMは,4Mbitのアドレス空間に4回繰り返しマップされていました.もしかしたら,ちゃんと上の2Mbitをアクセスするケースもあったりするんですかねー.

というわけで,こんな感じでPGMにHを突っ込めばROMを焼き直したりしなくても鳴ります.絶対純正主義の人もこれで安心 (写真では31番ピンのNCを一応GNDに落としていますが,必要ないかもしれません).

こうやれば元のROMのままで音が鳴る

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bax 2012/01/07(土) 22:07:01
31番ピンをドライブしてるアドレスバスの信号(C140の87番ピン)出力とぶつかるので、PGMのピンを浮かせた上でHに固定しほうがいいかもしれない。
そうしてたらゴメン。
そてにしてもSYSTEM IIはいろいろ設計ミスありますね。
部品番号抜けは朝飯前として、サウンド周りのアナログ回路でC47の片側配線忘れてるとか、ロケーション8K(74F244)用のパスコンPC43のGND側繋ぐの忘れてるとか。
nosuke 2012/01/12(木) 02:24:25
あ、写真だと見えないですが、PGMのピンはソケットからはみ出させて
います。さすがに信号きてるところにH突っ込むことはしないですw
> そてにしてもSYSTEM IIはいろいろ設計ミスありますね。
ほほう、そうなんですね。パスコンはまあいいとして、サウンドまわりの
アナログ回路は、いじったら音よくなったりするんでしょうか(笑)?
bax 2012/01/14(土) 02:48:49
>アナログ回路は、いじったら音よくなったりするんでしょうか(笑)?
実は見つけただけで試してません。いつか試そうと思って忘れてて…。
この件は旧基板でのRch(PCM Rch+FM Rch)のミキシングに関するところで、LchではC45によってちゃんとつながっているので回路バランスとしては悪いです。あんまり詳しくないのでよく分かりませんが帯域消去フィルター(BEF)っていうを構成してるのかも。
回路はこんな感じ
ttp://twitpic.com/86tsij/full
ちなみにSYSTEM IIの新基板(8618963905、入出力制御マイコンC65(HD63B05)がC68に変更されてる基板)では修正されています。
実際は繋いだところで聞き比べても分からないかも。回路シミュレータで試したいところだけど。
bax 2012/01/14(土) 02:49:35
>さすがに信号きてるところにH突っ込むことはしないですw
…ですよね。

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